美容室は空前の出店ブームが続いており、今年も店舗数・美容師数ともに過去最高を更新する見込みです。その一方、業界売上高は年々縮小してきており、一説には開店後3年間の閉店率が9割に達するといわれています。

美容師数は前年より9,061人増加し496,697人と過去最高です。新たに免許を取得した人は19,005人、その分、約10,000人が辞めたことになります。また新規免許数は、2005年度の29,452人をピークに、年毎の増減はありますが、減っています。

美容師の離職率は3年以内で72%といわれ、またアシスタントからスタイリストにデビューするまでの期間も、「入店後3年」が60%ともっとも多くなっています。店舗と同じように美容師も、「最初の3年間を生き残れるかどうか」が分かれ目になるようです。

美容師は増加しているとする厚生労働省のデータでも、青森、埼玉、福井、長野、三重、京都、兵庫、山口、熊本では減少しています。減少数のトップ3は京都(-749人)、三重(-263人)、兵庫(-198人)とすべて近畿圏になっています。入った人数よりも辞めた人が多かったことになります。

一方、東京(+2,721人)、神奈川(+1,548人)、大阪(+1,073人)では計5,342人増えており、増加数全体の59%を占めています。さらに愛知(+963人)、福岡(+813人)を加えると79%、8割近くが1都1府3県に集中していることがわかります。

その理由のひとつは、「見込み顧客数が多い」こと。女性の人口1,000人あたりの美容室数(=美容師数)でみてみると、東京(44位)、神奈川(47位)、大阪(40位)、愛知(43位)、福岡(38位)と軒並み下位層になります。相対的には不足しているのです。逆に上位3県は、秋田、徳島、山形です。