福祉業界の中でも近年注目されている職種が「児童発達支援責任者」です。発達に特性を持つ子どもたちに寄り添い、一人ひとりの可能性を伸ばす支援を行うだけでなく、チームをまとめるリーダーとしての役割も担います。
介護・福祉分野の専門性に加え、教育・発達支援の知識が求められるため、やりがいと社会的意義の高い仕事です。
児童発達支援責任者とは?
児童発達支援責任者は、児童発達支援事業所(未就学児対象)や放課後等デイサービス(小中高生対象)で配置が義務付けられている重要なポジションです。
主な役割は次のとおりです。
- 個別支援計画の作成・見直し
- スタッフへの指導・研修
- 保護者との連携・相談対応
- 行政とのやり取り・書類作成
つまり「子どもと直接関わる指導員」と「事業所全体を支える管理職」の両方の役割を持つのが特徴です。
求められる資格・経験
児童発達支援責任者になるためには、一定の実務経験や資格が必要です。具体的には以下のいずれかに該当する必要があります。
- 児童福祉施設で5年以上の実務経験
- 保育士、教員免許、社会福祉士、精神保健福祉士などの国家資格+実務経験
- 介護福祉士や看護師資格を持ち、障がい児支援の実務経験がある
さらに、厚生労働省が定める「児童発達支援管理責任者研修」を修了することが必須です。
近年は保育士や教員からキャリアチェンジをする人も多く、子どもと関わる経験を活かせる仕事として注目されています。
数字で見る児童発達支援の現状
厚生労働省のデータによると、2023年時点で全国の児童発達支援事業所は約1万6千か所。この数は10年前の約3倍に増えており、今後も拡大が予想されています。
一方で、人材不足は深刻で、厚労省の調査では約70%の事業所が「責任者人材の確保が難しい」と回答しています。求人需要が非常に高いため、経験者・有資格者にとってはキャリアアップの大きなチャンスといえます。
1日の仕事の流れ
児童発達支援責任者の1日は、子どもたちと関わる時間と事務・管理業務の両方で構成されています。
- 9:00 出勤・スタッフミーティング
- 10:00 個別支援(遊び・学習・生活スキルのサポート)
- 12:00 ランチ・休憩
- 13:00 保護者との面談・相談対応
- 15:00 放課後等デイサービスでの活動支援
- 17:00 個別支援計画の作成・スタッフ指導
- 18:00 事務作業・行政書類作成・退勤
子どもと触れ合う時間にやりがいを感じつつ、計画作成や管理業務も行うため、「現場力」と「マネジメント力」の両方が身につく仕事です。
この仕事のやりがい
最も大きなやりがいは、子どもの成長を間近で支えられることです。
「最初は言葉が少なかった子が笑顔で話しかけてくれるようになった」「集団活動に参加できるようになった」など、一つひとつの変化が大きな喜びになります。
また、保護者から「安心して子どもを任せられる」という言葉をもらえることも、この仕事ならではの感動です。
キャリアと将来性
児童発達支援責任者として経験を積むと、次のようなキャリアの広がりがあります。
- 児童発達支援事業所や放課後等デイサービスの管理者
- 複数事業所を統括するエリアマネージャー
- 自治体や福祉関連団体での企画・運営
- 独立して事業所を開設
近年は児童福祉分野の市場規模が年間1兆円規模まで拡大しており、将来的にも安定性の高い職種といえます。
働きやすさと待遇
求人情報を見ると、月給は25万〜35万円が相場で、経験や資格によっては40万円以上のケースもあります。
また、週休2日制や残業少なめを掲げる事業所も多く、子育て中の方でも働きやすい環境が整いつつあります。福利厚生や資格取得支援制度を用意する企業も増えており、スキルアップしながら長く働けるのが特徴です。
こんな人に向いている仕事
児童発達支援責任者に向いているのはこんな方です。
- 子どもと関わるのが好きな人
- 一人ひとりの成長を根気強く支えられる人
- 保護者や行政とのやり取りを円滑に行える人
- チームをまとめるリーダーシップを発揮できる人
福祉の現場でキャリアを築きたい方にとって、大きなステップアップの機会になります。
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子どもの未来を支えたいと考える方にとって、児童発達支援責任者はまさにやりがいに満ちた仕事です。
求人需要が非常に高く、資格や経験を活かしてすぐに活躍できる場が全国に広がっています。
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