【リハビリ職】は、身体機能の回復や日常生活の自立をサポートする重要な仕事です。本記事では、給与・資格・学校・離職率などの観点から、リハビリ職の実態をわかりやすく解説します。
「人の生活に寄り添い、人生を支える仕事がしたい」
そんな方に最適な職種が、リハビリ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)です。
高齢化や在宅医療の進展により、求人数は増加中。平均給与・必要資格・教育ルート・離職率など、これから目指す人に向けて網羅的にご紹介します。
1. リハビリ職ってなに?3つの職種と役割
リハビリ職には主に下記の3職種があります:
- 理学療法士(PT):歩行や関節可動域などの動作改善を中心に、病院・高齢者施設・訪問リハなどで活躍
- 作業療法士(OT):日常生活動作や高次脳機能など「生活」に根ざしたリハビリを担当
- 言語聴覚士(ST):嚥下障害・発声・言語障害などの改善支援を行うスペシャリスト
いずれも国家資格であり、医療従事者として医師・看護師らと連携しながら、患者さんの“自立支援”を支える重要なポジションです。
2. リハビリ職のニーズは増加中!需要・求人動向
厚生労働省「令和5年 医療施設動態調査」によると、PT・OT・STの有資格者数はそれぞれ以下のとおりです:
- 理学療法士:約192,000名
- 作業療法士:約90,000名
- 言語聴覚士:約60,000名
一方で高齢者の増加とともに利用ニーズは上昇しており、PTの求人数はこの5年で約30%増。OT・STも20%以上の増加が見られます。
特に、在宅リハや訪問分野では年平均+10~15%の求人増で、地方や中小病院でも採用が進んでいます。
3. 平均年収・給与相場は?
下記は令和5年の平均給与データです(厚労省・統計白書等より。)
職種 | 平均月給 | 平均年収 |
---|---|---|
理学療法士 | 30~35万円 | 450~500万円 |
作業療法士 | 28~33万円 | 420~470万円 |
言語聴覚士 | 27~32万円 | 410~460万円 |
経験を積めば年収600万円以上も可能で、訪問リハ・介護施設では年収500万円超の求人も多くあります。
4. 必要資格・要件は?
リハビリ職になるには、以下の国家資格が必須です:
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 国家試験合格
- 実務で継続的な研修・認定取得(嚥下障害・がんリハなど)を進めていくスタイルも一般的
勤務する医療機関により、普通運転免許(訪問リハ・介護施設など)や、夜勤免除の可否など条件が異なります。
5. 教育ルートは?どんな学校を選ぶべき?
リハビリ職を目指すなら、厚生労働省指定の養成校(専門学校/大学)で以下の単位数・実習が求められます:
- 理学療法士・作業療法士:総授業時間3,400時間以上+実習(約2,600時間)
- 言語聴覚士:授業時間2,800時間以上+実習約2,000時間以上
大学4年制・専門3年制・4年制などの養成課程があり、奨学金・教育ローン・短期制を提供する学校も増加中。通信制や夜間コースもあり、社会人からの進路変更にも対応可能です。
資格合格率の高い学校を選ぶ際は、国家試験合格率80%以上・就職率90%以上の養成校が目安となります。特にOT・STは大学進学が増えています。
6. 離職率はどれくらい?現場のリアル事情
リハビリ職の初任離職率(3年以内)は約15~20%程度と、全国平均の医療職(約10%)よりやや高めです。
主な理由:
・人手不足による業務負担の増加
・夜勤・オンコール業務(訪問職種)
・チーム医療下での役割調整
ただし、スタッフ教育に注力する病院・施設では離職率が5%以下の職場もあり、マネジメント体制や研修制度が離職率を大きく左右しています。
7. 働く場所・勤務スタイルの多様性
リハビリ職は以下のように幅広いフィールドで活躍可能です:
- 急性期病院・回復期リハ施設
- 介護老人保健施設(老健)
- 訪問リハ(自費含む)
- 障がい者施設・精神科領域
- 福祉施設・義肢装具製作所など多彩な環境
特に訪問リハ分野は過去10年で+40%以上伸長。勤務条件もフレキシブルで、平日の日中のみ勤務OK・土日は休めるなど、ライフスタイルに合わせて選べます。
8. やりがいと成長のポイント
リハビリ職の魅力は、患者さんの「できること」を引き出す過程を支えること。
高齢者の歩行再獲得、子どもの発達支援、言語機能の回復など、“人生を支える小さな成功体験”の積み重ねが日々のモチベーションになります。
また、セラピストには「身体的ケア+対人コミュニケーション+教育的アプローチ」の総合力が求められ、医療スタッフとしての成長実感も大きいです。
9. キャリアパスと将来性
経験を積むと、以下のようなキャリアパスが開けます:
- 認定理学療法士・認定作業療法士・摂食嚥下士など専門認定
- リハビリテーション主任・管理職・教育担当
- 訪問リハ起業・フリーランスセラピスト
- 教員・研究者(大学教員・大学院進学)
- 産業リハ・健康増進・介護予防分野への転身
10. まとめ|リハビリ職は「未来を支える専門家」の道
リハビリ職は国家資格と専門性を武器に、「健康寿命を延ばす」「生活を支える」医療職です。
平均年収400〜500万円、求人増+離職率マネジメントにより転職市場は拡大中。専門性を高め、キャリアパスを描くことで、長く働けるフィールドが広がります。
「人の人生を支える仕事がしたい」「技術と共感力を活かしたい」
そんなあなたにとって、リハビリ職は価値ある選択。ぜひ、未来を共に支える専門家の一員になってください。
