子どもたちの「安心」と「笑顔」を守る仕事。保育園で働く看護師というキャリア
「子どもが好き」「看護師としてもっと身近に寄り添いたい」「医療現場とは違ったやりがいを感じたい」――
そんな想いを持つ看護師さんの新しい選択肢として、今注目されているのが保育園・こども園での看護師の仕事です。
病院やクリニックとは一味違う“子どもの成長とともに寄り添う”というやさしい医療のかたち。保育業界における看護師の役割、やりがい、働き方について詳しく紹介していきます。
保育園での看護師の役割とは?
保育園や認定こども園で働く看護師は、園児たちの「健康管理」を中心に、保育士や保護者をサポートする医療のプロフェッショナルです。
仕事内容は多岐に渡り、以下のような業務が含まれます:
- 日々の健康観察(体温測定、視診、触診など)
- 発熱・ケガ・体調不良時の対応
- 感染症対策・衛生管理の指導・実施
- 医療的ケアが必要な園児の対応(例:アレルギー、てんかん、持病)
- 保護者対応・健康相談
- 職員への健康研修や救急対応の指導
いわば「子どもの健康を見守るお医者さん」と「保育現場を支えるチームの一員」、両方の顔を持つ存在です。
数字で見る現場のリアル:保育園における看護師配置率
厚生労働省の「保育所等関連状況取りまとめ」(2023年版)によれば、全国の認可保育所のうち約35%が看護師を配置しています。
特に0歳児を受け入れる施設や、医療的ケア児が在籍する保育所では、看護師の存在は不可欠。今後も保育の質の向上とともに、そのニーズは確実に拡大していくと予測されています。
1日のスケジュール(例)
- 08:30 出勤・園内の衛生チェック
- 09:00 登園してきた園児の健康観察・検温
- 10:00 体調不良児の対応、保育室の巡回
- 12:00 食事中のアレルギー対応・介助
- 13:00 お昼寝中の見守り・記録整理
- 15:00 保護者への健康報告・ケア説明
- 17:00 退勤(または延長保育対応)
病院勤務に比べて、夜勤や急患の対応がほとんどなく、生活リズムが安定するのも大きな魅力です。
医療と教育のハイブリッドな現場
保育園の看護師は、医療職でありながら“教育的アプローチ”も求められる特殊なポジションです。
例えば、歯みがき指導や手洗い習慣の定着、トイレトレーニング、食育イベントの企画など、「病気にさせないための環境づくり」に深く関われます。
まさに、“子どもを育てる医療職”。この分野は「予防医療 × 保育」という新しいジャンルとして注目され始めています。
保育園看護師に向いている人とは?
以下のような方は、保育園での看護師業務に向いています。
- 子どもと接するのが好き
- コミュニケーション力があり、保育士や保護者と協力できる
- 緊急時に冷静に対応できる判断力がある
- 教育的視点を持って接することができる
また、看護師としてブランクのある方が「職場復帰しやすい」フィールドとして選ぶことも多く、30代〜40代の女性に特に人気です。
保育現場で働く看護師の給与相場は?
保育園看護師の給与は、地域や雇用形態によって異なりますが、以下は一例です(2024年時点、東京23区内の求人平均):
- 正社員:月給25万円〜30万円前後
- パート:時給1,500円〜2,000円
病院と比べるとやや低めな傾向はありますが、残業の少なさや休みの取りやすさなど、働きやすさの面でバランスが取れている職場が多いのも特徴です。
キャリアパスと今後の展望
保育園での経験を通じて、以下のようなキャリアの広がりもあります。
- 保育園看護師 → 小児科クリニックへ
- 園内保健師・管理職ポジションへ昇格
- 保育園看護師 → フリーランスの育児支援スタッフへ
また、自治体によっては「保育看護師研修」や「子育て支援員制度」など、支援制度が充実している地域もあり、学びながら働く環境も整っています。
働くママナースにもぴったりの職場
「子育てと仕事を両立したい」看護師さんにとっても、保育園勤務は魅力的。
夜勤やシフト勤務が少なく、夏季・年末年始などの長期休暇が取りやすい点は、家庭とのバランスを重視する方にぴったりです。
実際に、求人のなかでも「子育て中のスタッフ活躍中」「時短勤務OK」「ブランク歓迎」といったワードが多く見られます。
まとめ:子どもたちのそばで、寄り添い、支える仕事
保育園看護師という働き方は、「医療×子ども×教育」が交差する特別なフィールドです。
命を守り、健康を支え、未来を育てる――そんな大きな使命を、毎日の園生活のなかでじっくり果たせるお仕事。
これまで医療の最前線で頑張ってきたあなたの経験が、保育の現場でやさしく力強く活かされるはず。
子どもたちの笑顔に囲まれながら、看護師としての新しいキャリアをはじめてみませんか?
