子どもが好きで、成長を見守る仕事 児童指導員のお仕事とは

子どもが好きで、成長を見守る仕事がしたい――そんな人にとって魅力的なのが児童指導員という職種です。
「児童指導員」と聞くと、福祉施設を思い浮かべる方も多いですが、実は保育・教育の現場でも欠かせない存在です。

児童館、学童保育、放課後クラブ、こども園など、子どもの日常を支えるさまざまな場所で活躍する児童指導員。
この記事では、保育職としての児童指導員の役割や仕事内容、資格の取り方、やりがい、キャリアパスまでをわかりやすく紹介します。

児童指導員とは? ― 「保育」と「教育」のあいだを支える専門職

児童指導員とは、子どもの生活支援・学習支援・情緒面のサポートを行う専門職です。
保育士が乳幼児を中心にケアするのに対し、児童指導員は小学生〜高校生など、もう少し年齢の上がった子どもを対象にします。

特に、保育園・こども園・児童館・学童保育クラブなどでは、子どもの遊びや生活の中で社会性・自立心を育てるサポートを行います。
子ども一人ひとりの個性を尊重しながら、安心できる環境を作る――それが児童指導員の大切な使命です。

参考:厚生労働省|児童福祉施設職員の資格要件

保育園・学童での児童指導員の役割

保育職としての児童指導員の仕事は、日常生活の支援に加え、子どもの成長を促す教育的な役割も担います。

  • 子どもの生活支援:身支度や食事、片付けなどを一緒に行い、生活習慣の形成を手伝います。
  • 遊び・活動の企画:季節行事やレクリエーション、工作、運動などを通じて子どもの社会性や表現力を育みます。
  • 学習支援:宿題や自主学習のサポートをし、学ぶ意欲を育てます。
  • 保護者との連携:家庭と施設をつなぎ、子どもの成長を共有・相談します。
  • 発達・情緒面の支援:集団生活での不安やトラブルに寄り添い、安心できる環境を作ります。

保育士が「生活と成長の基礎づくり」を行うなら、児童指導員は「成長の応用期」を支える存在。
子どもたちが自分らしく社会に羽ばたくための“育成サポーター”です。

児童指導員になるには? 資格と条件

児童指導員になるには、「児童指導員任用資格」という資格が必要です。
これは国家資格ではなく“任用資格”で、一定の条件を満たせば取得できます。

主な取得ルートは次のとおりです。

  • ① 大学・短大・専門学校で心理学・教育学・社会福祉学などを専攻して卒業
  • ② 教員免許を持っている
  • ③ 保育士資格を持っている
  • ④ 社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持っている
  • ⑤ 高卒以上で、児童福祉施設で2年以上の実務経験がある

特に保育園や学童保育で働く場合は、保育士+児童指導員任用資格を持つと強みになります。
保育士資格だけでは働けない施設(児童館など)もあるため、資格の幅を広げておくと活躍の場が広がります。

参考:日本児童指導員協会

児童指導員の1日の流れ(学童保育の場合)

  • 13:00 出勤・準備(今日の活動内容の確認、環境整備)
  • 14:30 子どもたち来所・出迎え
  • 15:00 おやつタイム・宿題サポート
  • 16:00 自由遊びやプログラム活動(外遊び・工作など)
  • 17:30 帰りの会・保護者対応
  • 18:00 片付け・記録記入・翌日の準備

放課後の短い時間の中でも、子どもたちの様子をよく観察し、安心して過ごせる環境を整えることが求められます。

児童指導員に求められるスキル・資質

  • 子どもの気持ちを受け止める共感力
  • 柔軟な対応力と観察力
  • 保護者との信頼関係を築くコミュニケーション力
  • トラブル時にも落ち着いて判断できる冷静さ
  • 他職種(保育士・教員・相談員など)と連携できる協調性

児童指導員の仕事は、子どもだけでなく大人との関わりも多い職種。
チームで子どもを育てる意識がとても大切です。

児童指導員の給与・待遇

児童指導員の平均給与は月給20万〜28万円前後、年収では300万〜400万円程度が一般的です。
経験や勤務先によっては年収450万円以上も可能です。

勤務先の例:

  • 学童保育:月給20〜25万円
  • 児童館・こども園:月給22〜28万円
  • 公立施設(地方公務員):初任給18〜22万円+各種手当

休日は日曜・祝日・年末年始が多く、残業も比較的少ない職場が多いため、ワークライフバランスが取りやすい職種といえます。

児童指導員のやりがい

  • 子どもの「できた!」を一緒に喜べる
  • 成長を長期的に見守れる
  • 日々の関わりの中で信頼関係が築ける
  • 子どもの人生にポジティブな影響を与えられる

小さな成長の積み重ねが大きな自信になる――その過程を一番近くで見られるのが児童指導員です。
子どもたちの未来を支える「縁の下の力持ち」でありながら、確かな手応えを感じられる仕事です。

児童指導員の大変なところ

  • 子ども同士のトラブル対応
  • 体力を使う(外遊び・イベント準備など)
  • 子どもの心の変化を見逃さない観察力が必要
  • 人間関係・チームワークの調整が求められる

特に、子どもの発達や家庭環境に応じた対応が必要な場合も多く、保育士よりも“心理的サポート力”が問われることもあります。
しかし、信頼関係を築けたときの喜びは何ものにも代えがたいものです。

児童指導員のキャリアパス

  • 児童指導員:子どもの日常支援・学習サポートを担当。
  • 主任児童指導員:チームをまとめ、職員育成や運営にも関わる。
  • 児童館長・施設長:マネジメントや地域連携、行政対応を行う。
  • 保育士・教員へのキャリアチェンジ:資格取得を経て教育の道に進む人も。

また、通信制大学や夜間学校を利用して保育士資格や教員免許を取得する人も多く、「働きながら学ぶ」キャリアアップが可能です。

これからの児童指導員に求められること

少子化が進む中でも、子どもの成長支援は時代が変わっても必要な仕事です。
特に共働き家庭の増加により、放課後や長期休暇の児童ケアは重要性を増しています。

今後の児童指導員には、次のような力が求められるようになるでしょう。

  • ICT(タブレットなど)を活用した学習支援スキル
  • 発達支援・心理支援の知識
  • 多文化・多様性を理解する姿勢
  • チームでの情報共有・保護者対応力

「遊びながら学ぶ」「生活を通じて成長する」時代の中で、児童指導員は教育と福祉をつなぐハイブリッドな職業としてますます注目されています。

まとめ:子どもたちの未来をそっと支える“伴走者”

児童指導員は、保育士や先生のように「教える」だけでなく、子どもに寄り添いながら成長を支える“伴走者”です。
ときには励まし、ときには見守りながら、子どもの「やってみよう」という気持ちを引き出します。

保育職としての児童指導員は、子どもの笑顔と成長に囲まれながら、自分自身も人間的に成長できるやりがいのある仕事です。
資格を活かして、教育と福祉の両側面から子どもを支えられる存在になれるのは、この職種ならではの魅力。

児童指導員の求人をお探しなら、ぜひ求人アットで検索してみてください。
あなたの優しさと情熱が、子どもたちの明るい未来をつくる力になります。

求人アット保育
転職辞典トップへ