造園施工管理技士とは?仕事内容や試験内容まで徹底解説!

造園施工管理技士は、造園に関わる公園工事や緑地化工事などの、様々な工事の施工管理を担当する仕事です。実際に造園施工管理技士は、どのような仕事をして、どのような資格が必要なのか気になる方に向けて、徹底解説します。造園施工管理技士の仕事内容や資格取得方法、年収、求められるスキルを徹底解説。将来性や試験合格のポイントなど、造園施工管理技士としてのキャリアを考える方必見です。

1. 造園施工管理技士とは?

造園施工管理技士は、国家資格のひとつで、造園業界において施工の管理を行う専門職を指します。造園施工管理技士の資格の保有者は、庭園、公園、都市緑化などのプロジェクトを計画し、設計図に基づいた工事の管理や調整を行います。建築・土木などの他の施工管理技士と比較して、自然や景観を意識したプロジェクトに特化している点が特徴です。

2. 造園施工管理技士の将来性はある?

造園施工管理技士は、将来性の高い仕事・資格として注目されています

理由の一つは、環境問題への対応が社会的に重要視されていることです。都市部ではヒートアイランド現象を緩和するための都市緑化が進められており、公園や庭園の整備、街路樹の計画など、造園技術を必要とするプロジェクトが増加しています。

また、建設業界では熟練労働者の高齢化が進み、新しい世代の育成が急務とされています。その中で、国家資格を持つ造園施工管理技士は、現場での技術的な指導やプロジェクトの管理を担う存在として大変貴重です。近

3. 造園施工管理技士の仕事内容

造園施工管理技士は、さまざまな場所や施設で造園工事の計画から完成までを管理することが主な仕事内容です。また、既存の緑地を適切に管理することも仕事の一部になります。

資格を持つ造園施工管理技士の具体的な業務は以下の通りです。

施工計画の立案

プロジェクトにおけるスケジュールや予算を設定します。具体的には、植栽計画や地形の変更などの工事全般のスケジュールや予算になります。また、維持や管理の計画の立案も行います。

資材・人員の手配

現場で使用する資材や作業員を確保し、調整します。プロジェクトを実行するには、適切な資材を適時に調達し、現場で作業を行う職人や技術者を確保する必要があります。

現場の監督

作業が計画通り進むよう現場の監督を行う場合もあります。安全対策の徹底や品質管理もこの業務に含まれます。

環境保全

環境保全にも配慮した設計を行うことが求められます。環境に優しい素材の選択や生態系への影響を最小限に抑えた施工方法を考える必要があります。

4. 造園施工管理技士になるには

造園施工管理技士になるには、国家試験に合格する必要があります。以下で2級と1級の違いを詳しく説明します。

2級造園施工管理技士

2級造園施工管理技士の第一次検定は17歳以上であれば、受験可能です。第二次検定

は、第一次検定合格と学歴・資格の条件を満たしている場合、受験可能です。また、第一次検定を免除されている方が受験できます。

受検資格

受験資格の詳細は「2級造園施工管理技術検定」をご確認ください。

(1) 2級造園施工管理技術検定・第一次検定

  • 年齢が17歳以上の者

(2) 2級造園施工管理技術検定・第二次検定

学歴又は資格 造園施工に関する実務経験年数
指定学科の卒業者 指定学科以外の卒業者
大学卒業者

専門学校卒業者(「高度専門士」に限る)

卒業後1年以上 卒業後1年6月以上
短期大学卒業者

高等専門学校卒業者

専門学校卒業者(「専門士」に限る)

卒業後2年以上 卒業後3年以上
高等学校卒業者

中等教育学校卒業者

専修学校の専門課程卒業者

卒業後3年以上 卒業後4年6月以上
その他の者 8年以上
技能検定合格者 4年以上

【引用】2級造園施工管理技術検定:https://www.jctc.jp/exam/zouen-2/

試験内容

(1) 2級造園施工管理技術検定・第一次検定
2級造園施工管理技士検定|試験内容|第一次検定
科目 ・土木工学等

・施工管理法

・法規

出題形式 マークシート方式
問題数 40問
合格基準 60%以上の得点

【引用】試験問題/正答肢:https://www.jctc.jp/mondai/

(1) 2級造園施工管理技術検定・第二次検定
2級造園施工管理技士検定|試験内容|第二次検定
科目 ・施工管理法
出題形式 選択方式

記述方式

問題数 2問

(1問の中に「選択方式」・「記述方式」の問題が複数問題あり)

合格基準 60%以上の得点

【引用】試験問題/正答肢:https://www.jctc.jp/mondai/

1級造園施工管理技士

1級造園施工管理技士の第一次検定は19歳以上であれば、受験可能です。第二次検定

は、第一次検定合格と学歴・資格の条件を満たしている場合、受験可能です。実務経験が必要になるため、注意が必要です。

受検資格

受験資格の詳細は「1級造園施工管理技術検定」をご確認ください。

(1) 1級造園施工管理技術検定・第一次検定

  • 年齢が19歳以上の者

(2) 1級造園施工管理技術検定・第二次検定

1級第一次検定に合格し、かつ、下記(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)の実務経験がある者

区分 学歴と資格 造園施工管理に関する

必要な実務経験年数

指定学科 指定学科以外
(イ) 学校教育法による

・大学

・専門学校の「高度専門士」

卒業後3年以上

の実務経験年数

卒業後4年6ヵ月以上

の実務経験年数

(1年以上の指導監督的実務経験年数が

含まれていること)

学校教育法による

・短期大学

・高等専門学校(5年制)

・専門学校の「専門士」

卒業後5年以上

の実務経験年数

卒業後7年6ヵ月以上

の実務経験年数

(1年以上の指導監督的実務経験年数が

含まれていること)

学校教育法による

・高等学校

・中等教育学校(中高一貫6年)

・専修学校の専門課程

卒業後10年以上

の実務経験年数

卒業後11年6ヵ月以上

の実務経験年数

(1年以上の指導監督的実務経験年数が

含まれていること)

その他(学歴を問わず) 15年以上の実務経験年数

(1年以上の指導監督的実務経験年数が

含まれていること)

 

区分 学歴と資格 造園施工管理に関する

必要な実務経験年数

指定学科 指定学科以外
(ロ) 2級造園施工管理技術検定第二次検定に合格した者

(令和2年度までは実地試験)

合格後5年以上の実務経験年数

(本年度該当者は平成30年度までの

合格者)

(1年以上の指導監督的実務経験年数が

含まれていること)

2級造園施工管理技術検定第二次検定合格後、実務経験が5年未満の者

(令和2年度までは

実地試験)

学校教育法による

・高等学校

・中等教育学校

(中高一貫6年)

・専修学校の専門課程

卒業後9年以上

の実務経験年数

卒業後

10年6ヵ月以上

の実務経験年数

(1年以上の指導監督的実務経験年数が

含まれていること)

その他(学歴を問わず) 14年以上の実務経験年数

(1年以上の指導監督的実務経験年数が

含まれていること)

 

区分 学歴と資格 造園施工管理に関する

必要な実務経験年数

指定学科 指定学科以外
(ハ) 技能検定合格者

職業能力開発促進法による1級「造園」技能検定合格者

10年以上の実務経験年数

1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていること。

[ただし、平成15年度までに1級「造園」の資格を取得していた者は、実務経験年数の記載は不要です。]

 

区分 学歴と資格 造園施工管理に関する

必要な実務経験年数

指定学科 指定学科以外
(ニ) 専任の主任技術者の実務経験が1年(365日)以上ある者 2級造園施工管理技術検定第二次検定に合格した者

(令和2年度までは実地試験)

合格後3年以上の実務経験年数

(本年度該当者は令和2年度までの

合格者)

2級造園施工管理技術検定第二次検定合格後、実務経験が3年未満の者

(令和2年度までは実地試験)

学校教育法による

・短期大学

・高等専門学校(5年制)

・専門学校の「専門士」

卒業後7年以上

の実務経験年数

学校教育法による

・高等学校

・中等教育学校

(中高一貫6年)

・専修学校の専門課程

卒業後7年以上

の実務経験年数

卒業後8年6ヵ月以上

の実務経験年数

その他(学歴を問わず) 12年以上の実務経験年数
その他 学校教育法による

・高等学校

・中等教育学校

(中高一貫6年)

・専修学校の専門課程

卒業後8年以上

の実務経験年数

卒業後9年6ヵ月以上

の実務経験年数

職業能力開発促進法による2級「造園」技能検定合格者に限ります。(合格証書の写しが必要です。)この資格を取得していない場合11年以上の実務経験年数が必要です。

その他(学歴を問わず) 13年以上の実務経験年数

 

区分 学歴と資格 造園施工管理に関する

必要な実務経験年数

指定学科 指定学科以外
(ホ) 指導監督的実務経験年数が1年以上、主任技術者の資格要件成立後、専任の監理技術者の指導のもとにおける実務経験が2年以上ある者 2級造園施工管理技術検定第二次検定に合格した者(令和2年度までは実地試験) 合格後3年以上の実務経験年数

(本年度該当者は令和2年度までの

合格者)

※2級合格後、以下の両方を含む3年以上の実務経験年数を有している者

・指導監督的実務経験年数を1年以上

・専任の監理技術者の配置が必要な工事において、監理技術者の指導を受けた2年以上の実務経験年数

学校教育法による

・高等学校

・中等教育学校

(中高一貫6年)

・専修学校の専門課程

指定学科を卒業後8年以上の実務経験年数

※左記学校の指定学科を卒業後、以下の両方を含む8年以上の実務経験年数を有している者

・指導監督的実務経験年数を1年以上

・5年以上の実務経験の後に専任の監理技術者の配置が必要な工事において、監理技術者の指導を受けた2年以上の実務経験年数

【引用】1級造園施工管理技術検定:https://www.jctc.jp/exam/zouen-1/

試験内容

(1) 1級造園施工管理技術検定・第一次検定
1級造園施工管理技士検定|試験内容|第一次検定
科目 ・土木工学等

・法規

・施工管理法

出題形式 マークシート方式
問題数 36問
合格基準 60%以上の得点

【引用】試験問題/正答肢:https://www.jctc.jp/mondai/

(1) 1級造園施工管理技術検定・第二次検定
1級造園施工管理技士検定|試験内容|第二次検定
科目 ・施工管理法
出題形式 記述方式
問題数 4問

(1問の中に「記述方式」の問題が複数問題あり)

合格基準 60%以上の得点

【引用】試験問題/正答肢:https://www.jctc.jp/mondai/

5. 造園施工管理技士の試験に合格するコツ

造園施工管理技士の試験に合格するためには、ポイントを押さえて対策をすることが重要です。事前に試験までのスケジュールをしっかりと設計しましょう。

過去問を解く

造園施工管理技士の試験の過去問をしっかり解くことが重要です。過去問を繰り返し解くことで、試験の出題形式や頻出テーマを理解することができます。特に、複数年分の問題に取り組むことで、傾向を把握しやすくなります。

教材を選ぶ

教材の選び方も重要です。試験範囲を網羅しており、基本となる知識を習得するための信頼できる教材を選びましょう。近年では、解説動画を無料で見ることができるため、動画の利用するのもおすすめです。

資格取得支援のある企業を選ぶ

造園施工管理技士の資格取得を積極的に支援している企業で働くことも有効です。こうした企業では、試験対策のための社内研修や、外部講師を招いてセミナーを開催している場合もあります。勤務しながら資格取得のために必要な知識や技術を効率的に学べる環境が整っています。

6. 造園施工管理技士に求められるスキル

造園施工管理技士に必要なスキルや性格を紹介します。造園施工管理技士では、専門的知識の他にも様々なスキルが必要になります。自分が当てはまるのか、事前に確認しておくといいでしょう。

1. コミュニケーション能力

造園施工管理技士は、設計者、現場の作業員、クライアントなど、多くの関係者と連携してプロジェクトを進めます。プロジェクトを円滑に進めるには、意図を正確に伝え、相手の意見を理解する力が欠かせません

2. 計画性

造園プロジェクトでは、スケジュール通りに作業を進める能力が必要です。植物の植栽や設備設置には、それぞれ適切なタイミングや順序があります。工期が遅れないよう、綿密な計画を立て、進行状況を常に管理することが重要です。

3. 問題解決能力

現場では、予想外のトラブルが発生することが少なくありません。たとえば、天候の急変や資材不足、クライアントの要望変更など、様々な問題が起こり得ます。予想外のトラブルに迅速かつ的確に対応し、最善の解決策を見つける能力が求められます

4. 観察力と注意力

植物の状態や土壌の質、設置された設備の仕上がりなどを細かく観察する力も重要です。現場の安全管理においても、小さな変化に気付ける注意力が大切です。

5. 植物や自然への興味関心

造園施工管理技士は、植物や自然環境と密接に関わる職業です。樹木や草花の特性、土壌や水の循環についての知識は、現場での判断に大いに役立ちます。植物や自然に興味を持ち、新しい情報を学ぶことは、造園のデザインや施工の質を高める大きな要素です。

7. 造園施工管理技士の年収

年収は資格の等級や勤務先によって異なりますが、正社員の平均年収は431万円になります。一方で、年収は個人差があるため、あくまで参考程度にしてください。

  • 正社員:平均年収 431万円
  • アルバイト:平均時給 1,099円
  • 派遣社員:平均時給 1,350円

参考:造園の仕事の年収・時給・給料

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造園施工管理技士はやりがいのある仕事!

造園施工管理技士は、環境保全や都市緑化の分野で需要が増している注目の仕事です。造園施工管理技士になるには、国家試験に合格する必要があるため、目指す方は早い段階から対策をすることが大切です。造園施工管理技士の求人情報をお探しの方は、ぜひ「求人アット建築」を活用してみましょう。