インフラ工事とは?仕事内容・種類・将来性まで徹底解説

インフラ工事は社会基盤の整備を担う、今後も安定した需要が見込まれる分野です。本記事では、未経験の方にも分かりやすく、仕事内容や求められるスキル、企業例、将来性まで丁寧に解説。インフラ業界への就職・転職を目指す方に向けて、実践的な情報をお届けします。

インフラ工事とは

インフラ工事とは、道路や橋、上下水道、電気・ガス、通信設備など、私たちの暮らしや産業活動を支える基盤を整える工事のことです

普段は目立ちにくい仕事ですが、社会を裏側から支える重要な役割を担っています。社会にとって不可欠な分野であり、安定したニーズがあるのも特徴です。特に、災害時にはインフラ復旧の最前線で活躍するなど、公共性の高さが求められる仕事でもあります。

インフラと建設の違い

インフラ工事と建設工事は混同されがちですが、対象とする領域に違いがあります。

建設業は、建物や構造物をつくる広い分野を指し、住宅や商業施設の建築も含まれます。一方で、インフラ工事は、社会の基盤となる設備の整備や維持管理を中心に行う点が特徴です。つまり、建設業の中でも“生活を支える根幹部分”に特化した分野がインフラ工事といえます。

インフラ工事の種類

インフラ工事と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。ここでは、代表的な工事の種類ごとに仕事内容や特徴を解説します。

【道路・橋梁】などの土木インフラ工事

道路や橋梁の工事は、人や物の移動を支える重要なインフラ整備です。新設工事だけでなく、舗装の補修や耐震補強、老朽化対策も含まれます。多くが公共事業として実施され、景気の影響を受けにくいため、安定した仕事を求める方に向いています

【電気・通信】を支える設備工事

電気や通信設備の工事では、電線や配電盤、光ファイバーなどの設置や保守を行います。近年は5GやIoTの普及により、インフラ整備の重要性が高まっています。現場作業と屋内設備の両方があり、現代のライフラインを支えるやりがいのある仕事です。

【上下水道・ガス】のライフライン整備

上下水道やガスは、人々の生活に直結する重要なライフラインです。近年は、老朽インフラの更新や耐震対策が進められ、現場は経験者だけでなく、若手人材の採用や育成も進んでいます。法令に準じた高度な技術が必要ですが、需要は安定しており、長く働きやすい分野です。

【災害対策や防災インフラ】の工事

地震や台風、豪雨といった自然災害に備えるため、排水路整備や地盤強化、避難所のインフラ整備などを行います。防災インフラは地域の安全に直結するため、行政との連携も多く、長期的に安定した需要が見込まれる分野です。

インフラ工事の魅力

インフラ工事は、安定性や社会貢献性の高さから、近年注目が集まる分野です。ここでは、インフラ業界ならではのやりがいや魅力を紹介します。

1.社会を支えるやりがいと責任

インフラ工事は橋や道路の整備、上下水道の維持など、人々の生活を守る重要な仕事です。完成後の風景や利用者の声を目にすることで、「誰かの役に立っている」と実感できる場面も多くあります。責任のある仕事ですが、その分やる気と誇りを持って働けるのが魅力です。

2.安定した需要と将来の安心感

インフラ整備は、国の予算で継続的に行われており、高齢化社会における更新・修繕ニーズも高まっています。特に、災害対策や老朽化した設備の補修など、安定した仕事が見込まれる分野です。手に職をつけたい方にとっては魅力的な環境です。

3.未経験・異業種からでも挑戦できる

インフラ工事の多くは、未経験からでも始められる仕事が豊富にあります。現場作業を通じて基礎を学びながら、必要に応じて資格を取得することで、徐々にステップアップが可能です。実際に、異業種から転職して活躍している人も多くいます。

インフラ業界の将来性

インフラ業界は、人々の生活基盤を支える仕事として、安定した印象を持たれがちです。では実際のところ、今後の需要や環境はどう変化していくのでしょうか。ここでは、インフラ工事を取り巻く最新の動向や将来性について解説します。

公共投資と市場拡大の見通し

道路や橋の老朽化や自然災害の増加を背景に、国は中長期的な視点で公共投資を強化しています。人口が減少してもインフラの維持は必要不可欠であり、業界全体として安定した需要が今後も続くと見込まれています。また、公共事業は景気の影響を受けにくいため、安定志向の方にとって将来性の高い分野といえるでしょう。

深刻な人手不足と若手人材への期待

国土交通省の資料によれば、建設業従事者の約3人に1人が55歳以上で、29歳以下は全体の1割強(※)と、若年層の不足が続いています。こうした中、若手の登用や育成に力を入れる企業が増加。インフラ工事は体力だけでなく意欲や学ぶ姿勢も重視されるため、異業種からの転職や未経験者にも十分に活躍のチャンスがあります。

※:国土交通省 令和3年「最近の建設業を巡る状況について」

デジタル技術で変わる現場環境

インフラ工事では、ドローン測量やBIM(3D設計)などのデジタル技術が広がっています。これにより作業の正確性や安全性が向上し、工期短縮やコスト削減が可能になりつつあります。現場の効率化や負担軽減にもつながり、未経験者や女性も働きやすい環境が整いつつあります。一定のITリテラシーがあれば習得しやすく、キャリア形成にも役立つスキルです。

インフラ工事に資格は必要?

インフラ工事の仕事は、最初から資格が必要とは限りません。未経験から現場で実務を積み、スキルを習得するケースも多くあります。ただし、施工管理技士や電気工事士などの国家資格があれば、業務の幅が広がり、収入アップも期待できます。資格取得を支援する企業もあり、教育体制が整った環境で長期的にキャリアアップを目指せるのが魅力です。

インフラ工事の大手企業

インフラ工事に関わる代表的な大手企業を紹介します。業種ごとの特徴や主な工事内容を知ることで、就職や転職先を選ぶ際の参考にしてみてください。

ゼネコン系の代表的企業

大林組、清水建設、鹿島建設などの大手ゼネコンは、道路・橋梁・トンネルといった大規模インフラ工事を多く手がけています。全国の公共事業に携わる機会が多く、安定性や福利厚生が充実しているのも魅力です。職種も現場管理や設計、積算など多岐にわたり、キャリアパスも明確です。

インフラ設備に強い企業例

関電工やきんでん、日本工営などは、電気・通信・上下水道といった設備系インフラ工事を専門に扱う企業です。電力会社や自治体と連携する仕事が多く、地域密着型の働き方も可能です。インフラ設備に特化した知識やスキルを磨きたい方には、長期的なキャリア形成が期待できる環境です。

インフラ工事ごとの業界・企業・職種

就職・転職活動を進めるなかで、「インフラ工事はどの業界に分類され、どのような企業や職種があるのか分からない」という方もいるかもしれません。工種ごとに関連する業界カテゴリや主な企業例、代表的な職種を一覧にまとめましたので、参考にしてみてください。

【道路・橋梁】工事の業界・企業・職種

業界カテゴリ 建設業界(特に土木工事業)
企業例 ゼネコン(総合建設会社):鹿島建設、大林組、大成建設など

中堅・地域の土木建設会社:地場ゼネコン、舗装業者、橋梁専門業者など

インフラ維持管理会社:道路メンテナンスや橋梁点検を行う専門企業

職種名 土木施工管理技士

現場監督(土木)

土木作業員

橋梁補修技術者

道路維持管理技術者

インフラ点検スタッフ

橋梁補修技術者

【電気・通信】工事の業界・企業・職種

業界カテゴリ 電気工事業、通信設備業、情報インフラ業界
企業例 電気工事会社:きんでん、関電工、九電工 など

通信インフラ系企業:NTTファシリティーズ、ミライト、コムシスなど

再エネ・スマートシティ事業会社:ソーラーパネル設置、EV充電器関連など

職種名 電気施工管理技士

電気設備工事士

通信インフラ技術者

通信工事スタッフ

高圧電気設備保守

LAN工事スタッフ

5Gアンテナ設置スタッフ

【上下水道・ガス】工事の業界・企業・職種

業界カテゴリ 管工事業、ガス工事業、水道インフラ業界
企業例 ガス会社系列工事会社:東京ガスエンジニアリング、関電ガスサポートなど

上下水道工事会社:自治体から受注する配管工事業者、水道局指定工事店など

設備工事会社:ビル・マンションの給排水設備を手がける業者など

職種名 配管工/管工事作業員

水道設備工事スタッフ

ガス配管工事技術者

管工事施工管理技士

上下水道メンテナンス技術者

インフラ保守スタッフ

【災害対策や防災インフラ】工事の業界・企業・職種

業界カテゴリ 土木建設業、防災・減災関連業、行政委託業務
企業例 防災・復旧工事に強い建設会社:国・自治体発注の災害対応工事を担うゼネコンや中堅建設会社

河川・治山・ダム関連企業:水資源機構系、地方建設業者など

自治体との取引が多い業者:緊急復旧工事や防災拠点整備を受注している企業

職種名 施工管理(災害対策工事)

防災・災害復旧工事スタッフ

災害インフラ整備技術者

河川護岸工事スタッフ

土砂崩れ対策技術者

地盤改良・防災施設施工管理

インフラ工事に関するよくある質問

Q. インフラ工事に資格やスキルは必要?

資格不要で未経験から始められる仕事も多くあります。

施工管理技士や土木施工管理技士などの国家資格があると、できる仕事の幅が広がり、年収アップも目指せるでしょう。現場での実務経験を積みながら、資格取得を目指す方も多いです。

Q.女性でもインフラ工事の現場で働ける?

近年では、女性の現場進出も進んでいます。

とくに施工管理や測量、設計補助などの職種では女性の活躍が目立ちます。国や企業も「建設業における女性活躍推進」を進めており、トイレや更衣室の整備、勤務環境の改善なども進んでいます。

Q.年齢が高くてもインフラ工事の仕事はできる?

一定の体力や健康が必要な業務もありますが、年齢に関係なく活躍できる場も多くあります。

特に、施工管理や安全管理などの職種では、経験が評価される傾向が強く、50代・60代で新たに業界に入る方もおり、シニア層向けの求人も増えています。

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インフラ工事の仕事を理解して、納得のキャリア選択をしよう

インフラ工事は、生活や社会活動を支える重要な仕事です。安定した需要があり、未経験からの挑戦も可能であることも魅力です。職種や業務内容によって必要なスキルは異なりますが、現場で経験を積みながら着実に成長できる環境が整っている会社が多いです。インフラ業界への就職・転職やキャリアチェンジを検討している方は、まず仕事の内容や自分に合う職種を知ることが第一歩。長く続けられるキャリアを築くために、情報収集から進めてみてください。

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