型枠大工の給料・年収はいくら?仕事内容・きつい点・向いている人まで解説

「型枠大工って給料はどれくらいもらえるの?」「普通の大工とは何が違うの?」「建設業だからやっぱり仕事はきつい?」など、型枠大工という仕事に興味はあっても、実際の仕事内容や収入、働き方についてはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、型枠大工の給料・年収の目安をはじめ、具体的な仕事内容、仕事できついと感じやすいところ、やりがい、向いている人の特徴、必要な資格、未経験から目指す方法まで分かりやすく解説します。

型枠大工とは?

型枠大工は、マンションやビル、学校、病院、橋、トンネルなど、コンクリートを使ってつくられる建物や構造物には欠かせない仕事で、完成した建物を見ても型枠そのものは残らないため少しイメージしにくい職種ではありますが、建物の形や精度を左右する重要な役割を担っています。

また、体力を使う仕事であることは間違いありませんが、経験を積んで技術を身につけることで収入アップを狙いやすく、学歴よりも現場で身につけた技術や経験が評価されやすいため、「手に職をつけたい」「デスクワークより体を動かす仕事がしたい」「経験を積みながらしっかり稼げるようになりたい」という方にとっては、検討する価値のある仕事です。

型枠大工とは、鉄筋コンクリートの建物などをつくる際に、まだ固まっていないコンクリートを流し込むための「型」をつくる職人のことで、簡単にいうと、建物の柱や壁、梁、床などを設計通りの形につくるための枠を組み立てる仕事です。

たとえば四角い柱をつくる場合、その場所へ直接コンクリートを流してもきれいな形を保つことはできないため、まず設計図に合わせて合板や木材などを使って枠をつくり、その中へコンクリートを流し込み、コンクリートが十分に固まったあとに型枠を取り外すことで、設計通りの柱や壁が完成します。

型枠大工が関わる建物はマンションやオフィスビルだけではなく、学校、病院、商業施設、公共施設、橋、高速道路、地下鉄、トンネルなど非常に幅広く、コンクリートを使用する工事では型枠が必要になるケースが多いため、普段何気なく利用している建物や社会インフラを支えている仕事のひとつといえるでしょう。

型枠大工の給料・年収はいくら?

型枠大工を仕事として考えるときに、やはり一番気になるのが「実際どれくらい稼げるのか」という点ではないでしょうか。

年収の目安 約414.5万円
求人賃金の目安 月額約29.8万円
主な給与形態 月給制・日給月給制・出来高制など
給与に影響するもの 経験・技術・資格・地域・会社・担当する役割など

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」に掲載されているデータでは、型枠大工が属する職業分類の全国の年収は約414.5万円、ハローワーク求人における求人賃金は月額約29.8万円となっています。

ここは注意:
年収約414.5万円という数字はあくまで統計上の目安であり、型枠大工になれば未経験でも最初から年収400万円以上を必ずもらえるという意味ではありません。実際の給与は経験年数や地域、勤務先、資格、現場の数、残業や各種手当などによって変わります。

未経験で入社したばかりの時期は、まず先輩の補助をしながら材料や工具の名前、図面の見方、型枠の組み方、安全に作業するためのルールなどを覚えていくことになるため、経験者よりも給料が低めに設定されるケースがありますが、一人で作業を任せてもらえるようになり、さらに現場全体の段取りを考えたり難しい施工を担当したりできるようになれば、収入アップを狙いやすくなります。また、型枠大工は会社によって月給制だけではなく日給月給制を採用している場合もあり、経験を積んだ職人の場合は出来高によって収入が変わることもあるため、求人を比較するときは単純な月給だけを見るのではなく、賞与、昇給、残業代、資格手当、職長手当、現場手当、休日数、雨天時の給与の扱いなども含めてチェックするとよいでしょう。

型枠大工は経験を積むと給料が上がる?

型枠大工は、経験を積んでできる仕事を増やすことが、そのまま収入アップにつながりやすい職人仕事のひとつです。

経験・立場 仕事内容のイメージ 給与への影響
未経験・見習い 材料運び、工具の準備、先輩の補助など 基本的な仕事を覚えるところからスタート
経験者 材料加工、型枠の組み立て、図面確認など 技術や経験に応じて給与アップを狙いやすい
熟練職人 難しい型枠工事や精度が求められる施工を担当 高い技術力が評価されやすい
職長・リーダー 現場の段取り、職人への指示、安全管理など 職長手当や役職手当が付く会社もある

最初のうちは先輩から指示された材料を運んだり、工具を準備したり、簡単な加工や組み立てを手伝ったりするところから始まりますが、経験を重ねて図面を読めるようになり、自分で材料を加工して正確に型枠を組めるようになると、任される仕事の範囲が少しずつ広がっていきます。さらに、現場全体の流れを理解して「次は何を準備すればいいのか」「どの職人をどこへ配置するのか」といった段取りまで考えられるようになれば、職長やリーダーのような立場を目指すこともでき、会社によっては職長手当や役職手当が付くことで収入アップにつながる場合もあります。つまり型枠大工は、最初から高い給料を期待するというよりも、現場で経験を積みながら技術を身につけ、自分のできる仕事や任される役割を増やして収入を上げていく働き方をイメージすると分かりやすいでしょう。

型枠大工の仕事内容

型枠大工の仕事は、単純に現場で板を組み立てるだけではなく、図面の確認から材料の加工、現場での組み立て、コンクリートを流し込む前の確認まで、いくつもの工程に分かれています。

  • 図面を確認する
    柱や壁、梁、床などの形や寸法を確認し、どの場所へどのような型枠を設置するのかを把握します。
  • 材料を加工する
    図面をもとに、合板や角材などを必要な大きさへ切断・加工し、現場で組み立てる型枠を準備します。
  • 現場で型枠を組み立てる
    加工した材料を正しい位置に設置し、水平や垂直、寸法を確認しながら組み立てていきます。
  • コンクリート打設に備える
    型枠のズレや隙間、固定状態などを確認し、問題なくコンクリートを流し込める状態に仕上げます。

図面を確認して型枠の形を考える

まず建物の設計図や施工図を確認し、柱や壁、梁、床などをどのような形や寸法につくるのかを把握しますが、型枠は完成した建物の形にそのまま影響するため、「このあたりでいいだろう」と感覚だけで施工することはできず、図面を正しく読み取ったうえで細かな寸法を確認しながら作業を進める必要があります。

型枠に使う材料を加工する

図面をもとに、合板や角材などを必要な大きさに切ったり加工したりして型枠を準備しますが、建物には同じ形の柱や壁が並ぶ場合もあれば、場所によって高さや幅、角度などが違う場合もあるため、それぞれの現場に合わせて正確に材料を加工することが大切です。

現場で型枠を組み立てる

加工した材料を現場へ運び、図面通りの位置に型枠を組み立てていきますが、型枠の位置が少しずれているだけでも完成する柱や壁の位置に影響するため、水平・垂直・寸法などを細かく確認しながら調整し、さらにコンクリートを流し込んだときの圧力にも耐えられるよう、しっかり固定する必要があります。

コンクリートを流し込む前に確認する

型枠が完成したら、位置がずれていないか、隙間がないか、固定が不十分な場所はないかなどを確認し、問題がなければコンクリートを流し込む工程へ進みますが、コンクリートは非常に重く、流し込んだ際には型枠へ大きな圧力がかかるため、正確さだけでなく安全面にも十分注意して施工しなければなりません。

型枠大工の仕事はきつい?

型枠大工について調べると「きつい」「大変」という言葉を見かけることがありますが、確かに楽な仕事ではなく、特に慣れるまでは体力面や作業環境を大変だと感じる人もいます。

体力を使う

材料や工具を扱いながら一日を通して体を動かすため、特に未経験で始めたばかりの頃は体力的なきつさを感じることがあります。

夏は暑く、冬は寒い

屋外や空調設備のない場所で作業することも多いため、季節による暑さや寒さは避けにくい部分です。

高所作業もある

建物によっては足場など高い場所で作業することもあるため、高所が極端に苦手な人には大変に感じる可能性があります。

覚えることが多い

図面の読み方や寸法、工具、安全ルールなど覚えることは意外と多く、体力だけではなく正確さや知識も求められます。

材料を扱うため体力が必要

型枠工事では合板や木材、工具などを扱いながら基本的に立った状態で体を動かして作業するため、デスクワークと比べれば体力を使う仕事であり、特に未経験で入社した直後は普段使っていなかった筋肉を使うことになるため、仕事が終わる頃にはかなり疲れたと感じることもあるでしょう。ただし、毎日仕事を続けていくうちに必要な体力がつき、材料の持ち方や体への負担が少ない動き方なども覚えていくため、最初から体力に自信がなければ絶対にできない仕事というわけではありません。

夏の暑さや冬の寒さがある

建設現場では屋外や空調設備の整っていない場所で作業することも多いため、夏の暑さや冬の寒さは避けにくく、特に夏場は熱中症に注意する必要があるため、水分・塩分補給や休憩、空調服の使用など、会社がどのような安全対策や暑さ対策を行っているかも求人を選ぶ際には確認しておきたいポイントです。

高い場所で作業することもある

建物の工事では足場の上など高い位置で作業することもあるため、高所が極端に苦手な人にとっては大変に感じる可能性がありますが、すべての作業が高所というわけではなく、地上で行う加工や準備などもあるため、どのような現場を多く担当する会社なのかによっても仕事内容は変わります。

実は覚えることが多い

「大工だから体力さえあればできそう」と思われることもありますが、型枠大工には図面を読む力や寸法を正確に測る力、工具を扱う技術、材料に関する知識、作業手順、安全に関するルールなど多くの知識が必要になるため、実際には体だけではなく頭も使う仕事です。もちろん入社した初日からすべて覚えている必要はなく、先輩に教えてもらいながら一つずつ身につけていけば問題ありませんが、分からないことをそのままにせず、確認しながら覚えていける人のほうが成長しやすいでしょう。

型枠大工ならではのやりがい

大変な部分がある一方で、型枠大工には職人仕事ならではの大きなやりがいがあり、特に魅力的なのは、自分が携わった仕事がマンションや学校、病院、橋、公共施設などの形になり、長く街の中に残っていくことです。工事が始まったばかりの頃は何もなかった場所に少しずつ柱や壁ができ、やがて大きな建物として完成していくため、完成した建物を見たときに「この建物の工事に自分も関わった」と実感できることは、型枠大工ならではのやりがいといえるでしょう。また、型枠そのものはコンクリートが固まったあとに取り外されるため、完成後に一般の人から見える部分ではありませんが、型枠の精度がそのまま建物の仕上がりに影響するため、見えないところで建物の品質を支える重要な仕事でもあります。さらに、最初は材料の名前さえ分からなかったところから、少しずつ工具を使えるようになり、図面が読めるようになり、最後には自分で型枠を組み立てられるようになるなど、自分自身の成長が分かりやすい点も職人仕事の魅力です。

型枠大工に向いている人

こんな人は型枠大工に向いています
  • デスクワークより体を動かす仕事が好き
  • 手に職をつけて長く働きたい
  • 細かい寸法や確認を丁寧にできる
  • ものづくりが好き
  • 分からないことを素直に聞ける
  • チームで協力して仕事を進められる
  • 経験を積んで収入を上げていきたい

型枠大工には特別な才能が必要というわけではありませんが、仕事の特徴を考えると、まず体を動かすことが好きな人には向いている仕事であり、一日中椅子に座ってパソコンを操作するより、現場を動きながら仕事をするほうが性格に合っているという方にとっては働きやすいでしょう。また、型枠は少しのズレでも建物の仕上がりへ影響する可能性があるため、「これくらいでいいだろう」と適当に済ませるのではなく、寸法や位置を確認しながら丁寧に作業できる人や、ものづくりが好きで完成形をイメージしながら仕事を進めることが好きな人にも向いています。さらに、建設現場では型枠大工だけで工事をするわけではなく、鉄筋工、コンクリート工、足場工、現場監督など多くの職種の人と協力しながら工事を進めるため、特別に話し上手である必要はありませんが、挨拶や報告、確認など最低限のコミュニケーションができることも大切です。そして何より、「今できないことでも少しずつ覚えていこう」と思える人は型枠大工として成長しやすく、最初は器用さに自信がなかった人でも、現場で経験を積みながら技術を身につけて一人前の職人を目指すことができます。

型枠大工になるために資格は必要?

型枠大工として働き始めるために、入社前に必ず取得しておかなければならない特別な資格は基本的にないため、未経験者を募集している会社であれば、建設業で働いた経験がない人でも応募できる場合があります。入社後は先輩について仕事をしながら型枠工事の基本を覚えていきますが、経験を積んだあとは「型枠施工技能士」などの資格取得を目指すこともでき、さらに一定の作業を担当するために必要となる「型枠支保工の組立て等作業主任者」などの資格を取得することで、担当できる仕事や役割を増やしていくこともできます。

求人を探すときは「資格取得支援制度あり」の会社もチェックしてみましょう。資格取得に必要な費用を会社が負担してくれる場合もあり、未経験から職人を目指したい方にとっては大きなメリットになります。

未経験から型枠大工を目指すことはできる?

型枠大工は未経験からでも十分目指せる仕事であり、建設業というと「経験がないと採用してもらえないのでは」と思うかもしれませんが、型枠工事は実際の現場で作業しながら覚えていく技術が多いため、未経験者を一から育てている会社もあります。最初は材料を運ぶ、工具を準備する、先輩の作業を手伝うといった基本的な仕事からスタートし、材料や工具の名前を覚えたあと、簡単な加工、型枠の組み立て、図面の確認と少しずつステップアップしていくため、入社時点で専門知識や技術を持っている必要はありません。未経験から会社を選ぶ場合は給料だけで判断するのではなく、先輩がしっかり教えてくれる環境なのか、資格取得支援があるのか、社会保険が整っているのか、昇給や賞与はあるのか、休日はどれくらいあるのか、現場までどのように移動するのかなども確認し、自分が無理なく長く続けられそうな職場を選ぶことが大切です。

型枠大工は「体力だけの仕事」ではない

型枠大工は確かに体力を使う仕事ですが、実際には体力だけで続けられる仕事ではなく、図面を読み、細かな寸法を確認し、完成した状態をイメージしながら正確に型枠を組み立てる技術が求められる、専門性の高い職人仕事です。慣れるまでは覚えることが多く、夏の暑さや冬の寒さ、材料を運ぶ大変さなどをきついと感じることもありますが、経験を積めば少しずつできる仕事が増え、自分の技術が目に見えて成長していく面白さがあります。また、学歴やこれまでの職歴だけで評価が決まる仕事ではなく、現場で身につけた技術や経験が評価されやすいため、「今から手に職をつけたい」「未経験からでも専門的な仕事を覚えたい」という方にも挑戦しやすい職種といえるでしょう。

型枠大工は、経験を積みながら技術と収入を伸ばせる仕事

型枠大工は、夏の暑さや冬の寒さ、材料を扱う体力的な大変さなどがある一方で、マンションや学校、病院、橋など、さまざまな建物づくりに欠かせない専門技術を身につけられる仕事です。全国の年収目安は約414.5万円、ハローワーク求人賃金は月額約29.8万円となっており、実際の給与は経験や地域、勤務先などによって異なりますが、経験を積んで一人前の職人や職長を目指すことで、収入アップにつながる可能性があります。「体を動かして働きたい」「手に職をつけたい」「ものづくりに関わりたい」「経験を積みながら収入を上げていきたい」という方は、未経験歓迎の型枠大工求人からチェックしてみるとよいでしょう。


※給与・年収の数値は厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」に掲載されている統計をもとにした目安であり、実際の給与は勤務先・地域・経験・雇用形態などによって異なります。

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