鉄筋工事とは?未経験からの始め方・年収・将来性まで徹底解説

鉄筋工事の仕事は、建物の骨組みを鉄筋で組み上げるダイナミックでやりがいのある仕事です。この記事では、仕事内容や必要な資格、年収、鉄筋工に向いている人の特徴などについて初心者にもわかりやすく紹介。未経験から挑戦したい方にも役立つ情報をまとめました。

鉄筋工事とは

鉄筋工事とは、鉄筋コンクリート造の建築物で鉄筋を加工し、組み立てる工事のことです

設計図に基づき、鉄筋を切断・曲げ・結束して所定の位置に配置します。組み立てた鉄筋は建物の“骨”のような役割を果たし、配置の精度が耐久性や安全性に直結します。そのため、正確な作業と高い技術が求められる重要な工事です。

鉄筋工事と鉄骨工事の違い

鉄筋工事と鉄骨工事は、どちらも建物を支える重要な工事ですが、扱う材料や役割が異なります。鉄筋工事はコンクリートの中に入れる鉄の棒を組む工事、鉄骨工事は建物の骨組みそのものを鉄で組み立てる工事です。

【鉄筋工事】

  • コンクリートの中に入れる鉄筋を組み立てる
  • 主に鉄筋コンクリート造(RC造)で使用
  • 鉄筋は建物を補強する“骨”のような役割

【鉄骨工事】

  •  柱や梁など、建物の骨組み自体を鉄で組む
  •  主に鉄骨造(S造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)で使用
  • 鉄材で構造体そのものを支える

鉄筋工事の作業の流れ

鉄筋工事の仕事は、鉄筋の搬入から組み立て、接合、仕上げの検査まで多岐にわたります。ここでは、鉄筋工事の主な作業の流れを5ステップで解説していきます。

1. 施工図・加工帳の作成

鉄筋工事の出発点は、設計図をもとにした「施工図」と「加工帳」の作成です。施工図では、鉄筋の太さ・本数・配置位置などを明確にし、加工帳ではそれを加工指示として一覧化します。現場での混乱を防ぎ、寸分違わぬ施工を実現するための“設計図の翻訳作業”とも言える重要な工程です。

2. 鉄筋の搬入・保管

図面に基づいて必要な鉄筋が発注され、現場へと搬入されます。種類や長さごとに整理し、サビや変形を防ぐため、地面に直接置かず台木にのせて保管。天候や湿気にも注意を払いながら、次の工程に向けて丁寧に管理されます。施工の精度は、こうした資材管理からすでに始まっているのです。

3. 鉄筋の加工

加工帳の内容に沿って、鉄筋を切断・曲げ加工。直線状の鉄筋をベンダーやカッターで加工し、柱・梁・床など各部位に応じた形状へと整えます。工場や加工ヤードでは、熟練の作業員が図面を確認しながら、正確かつ効率的に作業を進行していきます。

4. 配筋・結束作業

加工された鉄筋を現場へ運び、施工図に従って正確に配置していきます。鉄筋が交差する部分は番線(針金)でしっかり結束。床・壁・柱などの構造部ごとに、形状や組み方が異なるため、図面の読解力と現場のチームワークが試されます。配筋が進むたびに、建物の“骨格”が姿を現します。

5. 配筋検査と修正

配筋作業が完了すると、施工図との整合性を確認するための検査が行われます。寸法の誤差、鉄筋のかぶり厚さ、結束の状態など細部まで点検され、不備があれば即座に修正。この検査をクリアしてはじめて、コンクリート打設へと進めます。建物の強度を守る、最後の関門です。

鉄筋工事のやりがい

鉄筋工事は大規模な構造物に関わることも多く、スケールの大きさや社会的な意義を感じやすい職種といえます。ここでは、鉄筋工として働く中で感じられる4つのやりがいについて紹介します。

建物の“骨”をつくる達成感

鉄筋工事は、建物の骨組みをつくる仕事です。完成後には、見えなくなる部分ですが、構造を支える要として欠かせない役割を担います。目に見える派手さはなくても、「自分の手で建物の土台を支えている」という実感は、大きなやりがいにつながります。

社会インフラを支える実感

鉄筋工事が関わるのは、住宅やオフィスだけではありません。学校や病院、橋やトンネルなど、社会に欠かせないインフラも多く含まれます。人々の暮らしを支える仕事に携わっているという誇りは、日々の原動力になります

図面通りに形にする面白さ

施工図をもとに、正確に鉄筋を組み上げる工程には、図面を“読み解く力”と“手を動かす技術”の両方が求められます。頭と身体をフルに使いながら、図面通りに形が完成した瞬間は、ものづくりの楽しさを実感できるひとときです。

チームでの連携と達成感

鉄筋工事は一人ではできません。現場では複数人で連携し、声を掛け合いながら作業が進みます。天候や工程の遅れにも柔軟に対応しながら、一丸となって形にしていくその過程には、仲間と共にやり遂げる達成感があります。

鉄筋工事がきついと言われる理由

鉄筋工事はやりがいのある仕事ですが、体力的・精神的な負担を感じることもあります。ここでは「きつい」と言われる主な理由と、その背景について紹介します。

体力が求められる作業が多い

鉄筋は重量があり、屋外での作業も多いため体力が必要とされます。特に、夏場や寒冷地では気温の影響を受けやすく、慣れるまでは大変に感じることもありますが、現場を重ねるうちに自然と体力がつき、少しずつ余裕をもてるようになるでしょう。

正確さとスピードの両立が必要

鉄筋工事は、図面通りに正確に作業することが求められますが、同時にスピードも求められるため、最初はプレッシャーに感じる方もいるかもしれません。とはいえ、経験を重ねるうちに作業の流れがつかめてきて、精度やスピードも自然と向上していきます。慣れてくるほどに仕事の面白さを感じられるようになるでしょう。

鉄筋工事に向いている人

鉄筋工事は、正確さ・体力・チームワークが求められる仕事。ここでは、鉄筋工に向いている人の特徴を紹介します。

地道な作業を丁寧にできる人

鉄筋工事では、図面通りに正確に作業することが求められます。一つひとつの作業は派手ではありませんが、建物の安全性を根本から支える、大切な役割を担っています。慎重に物事に取り組むのが得意な人や、コツコツと積み重ねる作業が好きな人に向いているでしょう。

チームで仕事を進めるのが得意な人

鉄筋工事は、複数人で鉄筋を運び、正確に配置していく作業が中心です。重量物の取り扱いや複雑な組み立てには、周囲との声かけやタイミングを合わせた動きが欠かせません。仲間と呼吸を合わせながら一つの構造を形にしていく過程に、やりがいを感じられる仕事です。人と協力して何かをつくるのが好きな方に向いています。

体を動かすことが好きな人

鉄筋工事は屋外での作業が多く、常に体を動かす仕事です。同じ場所に長くとどまるよりも、体を使ってアクティブに働きたい人に向いています。体力が求められる場面もありますが、続けるうちに自然と基礎体力も身につくため、未経験の方でも挑戦しやすい環境です。

鉄筋工事の年収

鉄筋工の平均年収は約506万円(※)と日本の平均年収と比べると高い傾向にあります。作業現場は、マンションやビルなどの建築物のほか、トンネル、高速道路、地下鉄など多岐にわたります。就業先によって年収も異なるため、求人を探す際は仕事内容や条件をよく比較検討することが大切です。

鉄筋工(平均年収) 約506万円
鉄筋工(1時間当たり) 約2,466円

※参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)

鉄筋工事に関するQ&A

Q. 鉄筋工になるには資格が必要?

  1. 鉄筋工として働くために、必須の資格はありません。

未経験から現場に入り、先輩の指導のもとで技術を身につけることが可能です。

とはいえ、一定の実務経験を積んだ後に国家資格の「鉄筋施工技能士」などを取得することでスキルを証明でき、キャリアアップや給与面でも有利になることがあります。

Q. 未経験から鉄筋工になれる?

  1. はい、未経験からでも鉄筋工として働くことは可能です。

実際、多くの求人が「未経験可」としており、入社後に先輩のサポートを受けながら作業の基礎や道具の使い方を学べる体制が整っている会社がほとんどです。初めは材料運びなどの軽作業からスタートし、徐々に加工・配筋作業へと進んでいくケースが一般的になります。

Q. 鉄筋工事は女性でも活躍できる?

  1. 鉄筋工は男性の比率が高い職種ですが、女性が活躍している現場もあります。

鉄筋は重たい資材を扱うことが多いものの、最近では作業の分担や補助具の導入により、性別を問わず働きやすい環境づくりが進んでいます。また、組立精度や丁寧さが求められる場面も多く、女性の器用さや観察力が活かされる場面も増加しています。

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鉄筋工事は建物の“骨組み”を支えるやりがいある仕事!

鉄筋工事は、建物の構造を内側から支える重要な仕事です。正確さやチームワークが求められる一方で、自分の手で建物を形づくる実感が大きなやりがいにつながります。未経験からでも始めやすく、経験を積めば資格取得や独立も目指せるのが特徴。まずは「求人アット建築」で理想の職場を探してみましょう。

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